東北地方太平洋沖地震への医療支援活動について
私は4月12日〜16日まで5日間にわたって関東大地震の津波の被害が大きかったとされる宮城県南三陸町に行ってきました。テレビで見る映像より生で見る被災地は残酷でこの被災地を見たときは言葉が出てきませんでした。沿岸から4〜5キロ先まで続く津波の爪跡。根こそぎ流された家々、ぺしゃんこになった車、奥まで流されて真っ二つに割れた船、散乱した衣類、津波がこの町のすべてを飲み込んだっていうのが生で見て改めて感じました。
ここでのTMATの活動としては、ベイサイドアリーナに拠点を置きアリーナでの24時間診療、日中はチームを二手に分けてアリーナと数か所ある避難所にいく巡回診療。そして、夜間にナース2名が近くにある志津川小学校で夜勤。というのが主な活動でした。
今回の活動で印象に残ったことがありました。それは、志津川小学校での夜勤でのことです。ここの夜勤では、志津川病院の看護師が数名常駐されているんですが、ここの看護師の皆さんもいずれも被災された方々です。家族や家の事もあるのにも関らず、夜勤されていました。そんな皆さんを見て本当に皆で助け合ってるいると思いました。被災者の皆さんも本当は辛いはずなのに辛い顔一つせずいつも笑顔で前を向いている印象がありました。夜勤が一緒だった看護師さんと話す機会があり、『皆さんの笑顔で逆にこっちが元気を分けてもらっています』っと私が言うと、看護師さんは涙を流しながらこう言いました『本当は皆泣きたいんだよ。辛くてどうかなりそうなぐらい。子供に何もしてあげられないのが本当に辛いねぇ。でも私達が頑張らないとねぇ。TMATの皆さんには本当に感謝しています。ありがとうねぇ。』っと。私はなんて言葉を返せばいいのかわからず、ただただ耳を傾けるぐらいしかできなかった。
残りの期間、私は被災者の皆さんに『頑張って下さいね』って言葉が言えませんでした。
話を聞いてあげるぐらいしか・・・。だけど、わかったことが一つあります。被災者の皆さんの心の傷を癒すのは話を聞いてあげることがとっても大事なことだということです。
今回私は、TMATを通して今後二度と経験できないかもしれない貴重な経験をされてもらいました。私は徳洲会の透析室以外の部署で勤務したことがなかったので、診察であったり巡回診療であったり全てが新鮮であり良い経験でありました。最後に現場に行かせて頂いた病院関係者の皆さんに感謝します。ありがとうございました。
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