医療法人 沖縄徳洲会 中部徳洲会病院 ごあいさつ

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副理事長 ご挨拶

患者さんの安心と安全のため、
徳洲会モデルが世界基準となる日を夢見て日々努力を

 患者さん中心の医療を実践し、常にイノベーションを行ってきた徳洲会グループは、病院やクリニックなどの医療施設数をはじめ患者さんの受け入れ数、職員数、医業収入といった規模の大きさで、わが国最大の民間医療組織になりました。

 海外では、2006年にブルガリアのソフィア徳田病院が開院。今年8月には南米ブラジルにハートセンターがオープンする予定で、パラグアイでも「徳田財団」が設立され、病院建設が準備されています。医療に恵まれないアフリカ、アジア諸国に透析機器などを寄贈し、透析センターの立ち上げのための指導も行っています。またTMAT(徳洲会医療救援隊)は、インドネシアやハイチの地震災害の救援活動で評価されています。

 今や徳洲会グループは、急病救急医療、慢性医療、予防医療、高度先進医療の実施だけでなく、国家プロジェクトである遺伝子解析による「オーダーメイド医療実現化プロジェクト」に参加。オンコロジー(臨床腫瘍学)や治験を推進し、修復腎移植および膀胱がんワクチン療法の臨床研究にも取り組んでいます。

 5月29日の徳洲会最高幹部会は、英国ケンブリッジ大学病院群NHS(ナショナル・ヘルス・サービス)基金トラスト(CUH)と徳洲会グループとの覚書(MOU─徳洲会案)を検討しました。アデンブルックス病院を擁するCUHは、同院の海外部門を通じて中東欧、アフリカ、アジアで多くの医療プロジェクトを展開中です。覚書は、そのCUHと徳洲会グループがソフィア徳田病院の未稼働病床を共同で運営し、病院経営モデルの確立に向けて管理方法の共同研究を行う体制を立ち上げるというものです。これが実現されれば、徳田虎雄前理事長が示す「徳洲会のモデルが世界標準となる日を夢見て」の第一歩となるにちがいありません。

医人間工学的な、根拠に基づいた病院の設計を目指しています

 先月、アメリカへ医療視察に行きました。視察したのは、カリフォルニア州にあるカイザー財団がもつ、根拠に基づく病院設計を行うシミュレーションセンター、NPO(特定非営利活動法人)のヘルスデザインセンター、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)メディカルセンター、サイトリ・セラピューティクス社です。

 シミュレーションセンターとヘルスデザインセンターの視察では、人間工学に基づいた医療環境づくりが、患者さんの安心と安全をより高めることを認識しました。すなわち安全性の向上としては、院内感染、誤投薬、患者さんの転倒の減少に加え、患者さんとのコミュニケーションの質的改善が見込めること。医療全体の質の向上とコストの減少については、在院日数の低下、薬の減少、病室の移動回数、職員の業務効率化、ケアの質に関わる患者満足度の向上などが実現できること。患者さんのストレス面では、騒音や空間識失調、うつ病や疼痛などが解消されること。職員のストレス・疲労の減少策としては、騒音の減少、投薬プロセスと配薬時間の改善、シフトごとの患者ケアの時間効率化などがもたらされるというものでした。これらは多くの医学書、医学雑誌、ジャーナル(医療、看護、心理学、建築学)、研究報告を分析して得られたもので、これまでの病院設計とは一線を画しており、非常に参考になるものでした。

 多くの病院の新築移転を控える私たちは、こうした点に全面的な検討をさらに加え、徳洲会モデルといえる病院設計の実現を目指してます。

今の医療に最善を尽くし、常に新しい医療を学び続ける

 サイトリ・セラピューティクス社は、未来医療や再生医療(細胞、組織、器官の再生や機能の回復)、アンチエイジング医療(抗加齢医療)を開発しています。同社は形成外科医マーク・ヘドリック博士によって設立され、脂肪組織から抽出した体性幹細胞(2001年、同博士が発見)を使って、こうした医療を実現しようとしています。

 幹細胞には、体性幹細胞のほかにES細胞(胚性幹細胞)、iPS細胞(人工多能性幹細胞)、クローンES細胞などがあります。ES細胞は受精卵を使用し、iPS細胞は遺伝子操作を必要とし、いずれも他人の細胞を使用するため倫理的な問題があり、遺伝子操作の技術的な問題もあって、臨床応用にはまだ道が遠いように思えます。その点、脂肪組織から抽出する体性幹細胞は自分のものであり、培養せずに大量に抽出でき、皮膚、骨髄、胎盤の体性幹細胞より優れています。しかも多能性もあり、難病を含むさまざまな疾患の臨床研究が行われており、その効果が確認されてきました。

 乳がん切除後の乳房再建術、豊胸術、若返り療法、放射線潰瘍治療、創傷治癒、頭蓋骨再生などで臨床研究が進められ良好な成績が出ています。また、前立腺全摘後の尿失禁が、血管新生と外括約筋の再生で治癒した例や、急性および慢性の心筋梗塞の心臓カテーテル検査または治療中に、本人の脂肪から抽出した幹細胞を投与する臨床研究も進められ、新たな梗塞の予防、組織の再生などに効果があったデータも見られました。

 まだ前臨床研究の段階のものでは、腎損傷、脳卒中、脊髄損傷でそれぞれの組織の機能不全の予防と細胞の再生にも良好な結果が得られ、臨床応用に希望が見えてきたとのことでした。

 徳洲会は、常に最先端の医療に注目し日々学び取り入れてきました。そして、習得した技術をいかに、徳洲会が最も重視している救急医療や僻地医療に活かせるかを考えています。

 徳洲会の創成期に、徳田前理事長は自らに生命保険をかけて病院をつくり、その13年後には離島に病院をつくりました。その後もあらゆる困難を克服し、多くの医療施設をつくり続けています。徳田前理事長は、成期の苦しさを思えば、これからの多くのプロジェクトは乗り切れるはずだといいます。徳洲会は利益を目的とせず、「生命だけは平等だ」の理念の下、社会貢献をする組織として努力を続けています。患者さんのため、医療人の夢と自己実現のため、徳洲会グループの一員として我々と共に頑張りましょう。

医療法人沖縄徳洲会副理事長
安富祖久明


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