チーム医療への参加
院内では、多くの医療チームが組織されていて、それぞれスタッフの職能を生かして、意見を出し合い、情報交換をしながら、患者の治療に直接的に協力したり、病院全体の医療の質と安全性向上のために機能したりしています。その中で働く薬剤師も、自らの経験や知識、認定資格などの専門性を生かして活躍しています。
以下には、たくさんあるチーム医療活動の一部を紹介いたします。
1. 抗菌薬適正使用支援チーム(AST)
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ICTと共に感染対策委員会の実働部隊として組織されているチームで、薬剤師の他、医師、看護師、検査技師などで構成されていて、血液培養陽性患者に対する抗菌薬治療の効果判定や適切性のモニタリング、抗菌薬の使用量動向調査、院内採用の抗菌薬選定、適正使用のガイドライン作成、消毒剤の選定、手指衛生の教育など、感染症治療が適正に行われるための支援や教育を行っています。
専従の薬剤師1名と、担当薬剤師2名が、1週間の感染症治療患者リストを元に抗菌薬の薬物療法が適切に行われているかを評価し、毎週木曜日の午後から多職種連携の症例カンファレンス、回診を行っています。また、月1回の感染対策会議では、特定抗生剤の使用状況報告、有害事象が発生した症例などの情報報告などを行っています。
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<ICTとの合同ラウンドに参加するAST担当薬剤師>
2. 栄養管理サポートチーム(NST)
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管理栄養士を中心に、医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、リハビリテーション技士などで構成されていて、入院患者の栄養状態をモニタリングし、必要なカロリー、栄養の種類、栄養補給の方法、発生している問題などについて、週2回、月曜日と水曜日に症例カンファレンスと回診を行っています。
また、月1回の定例会議では、院内で使用する栄養剤や治療食の選定や、投与方法などの検討、味や使いやすさの検証、栄養に関するスタッフ教育なども行っています。さらに、褥瘡治療チームと協力した活動も行っています。
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<栄養サポートカンファレンスに参加するNST認定薬剤師>
3. がん化学療法サポートチーム
薬剤師の他、医師、看護師、ケースワーカーなどで構成されていて、がん化学療法の運用全般を管理しています。患者の副作用モニタリング、治療効果の評価、機器の選定、その他、安全な化学療法を行うための運用規定の策定、スタッフ教育などを行っています。当院では、主に徳洲会グループのオンコロジー委員会が選定した徳洲会統一レジュメンに基づいてがん化学療法を行っていますが、それ以外にも必要に応じて院内オリジナルのレジュメンを使用する場合があり、その妥当性、安全性、経済性を評価する院内審査委員会(キャンサーボード)を開催する場合もあります。
当院では主に徳洲会グループが選定した統一レジュメンに基づいてガン化学療法を行っていますが、それ以外にも必要に応じて院内オリジナルのレジュメンを使用する場合があり、その妥当性、安全性、経済性を評価する審査を行っています。
また、オンコロジー担当薬剤師は、抗がん剤の選定、レジュメン管理、患者教育資材の準備、ミキシング資材の選定、安全ながん化学療法を行うための環境整備やスタッフ教育にも深く関わっています。
4. 疼痛緩和サポートチーム
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薬剤師のほか、医師、看護師、リハビリテーション技士、ケースワーカーなどで組織され、週1回火曜日の午後から、疼痛コントロールを必要とする入院患者や在宅患者のモニタリング、疼痛コントロール方法の検討、患者や家族の心のケア、在宅緩和医療への移行準備などについて、広く症例カンファレンスや回診を行っています。
また、月1回の会議では、薬剤師が疼痛をコントロールする医薬品についてのスタッフ向け勉強会も行っています。
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<患者様の痛みを支えるチームです>
5. 人工呼吸器管理サポートチーム(RST)
薬剤師の他、医師、看護師、臨床工学技士、栄養士、リハビリテーション技士などで組織され、週1回金曜日の午後から、人工呼吸器を装着した患者について、機器の選定や管理の適切性、薬物療法や栄養状態の確認、感染症対策などについて、ラウンドと症例カンファレンスを行っています。
6. 医療安全推進チーム
薬剤師の他、医師、看護師をはじめ全ての職種で組織され、週2回、病院中をラウンドして、主に、患者管理、医療機器取り扱い、環境整備などにおいて、スタッフが安全管理を遵守しているか、安全な環境が保たれているか、安全規定が実務に適しているかを検証します。
また、月1回の定例会議では、ヒヤリハットやアクシデントのレベル評価と、これらに対する再発予防策を検討しています。