がん登録とは

全国がん登録とは

「全国がん登録」とは、日本でがんと診断されたすべての人のデータを国で一つにまとめて集計・分析・管理する仕組みで、2016年1月に開始されました。2016年1月以降、全ての病院と一部の診療所でがんと診断・治療された患者が登録対象となっており、「がん登録等の推進に関する法律」に基づいています。

院内がん登録とは

院内がん登録とは、「病院において医療の状況を的確に把握するため、当該病院におけるがん患者について、全国がん登録情報よりも詳細な治療の状況を含む情報を収集し、院内がん登録データーベースに記録し、及び保存すること」とされています（院内がん登録の実施に係る指針（厚生労働省告示号）より）。

当院では、全国がん登録よりもより詳細な院内がん登録を行っています。登録したデータは国立研究開発法人国立がん研究センターが実施する全国集計・予後調査（生存確認調査）・QI研究等へ情報提供し協力しています。個人情報の利用は個人情報保護法に基づき適正に管理していますが、情報提供に同意いただけない場合は、診療情報管理室までお申し出ください。お申し出がない限り同意をいただかずに取り扱いさせていただきますのでご了承ください。

当院実績　「沖縄県院内がん登録集計報告書　2020年症例」より

院内がん登録件数の推移と男女比

	2016年	2017年	2018年	2019年	2020年
合計	604	632	687	731	777
男性	401	408	485	474	518
女性	203	224	202	257	259

2020年は777件の登録がありました。性別でみると男性が518件、女性が259件で約7：3の割合で男性が多いことがわかります。

部位別（2020年上位部位）

	2018年			2019年			2020年
	男	女	計	男	女	計	男	女	計
前立腺	138	0	138	138	0	138	152	0	152
結腸	67	23	90	60	40	100	79	33	112
乳房	0	46	46	0	59	59	0	79	79
肺	38	20	58	57	24	81	53	11	64
直腸	32	15	47	32	18	50	44	12	56
膀胱	31	5	36	26	8	34	43	9	52
腎・その他の尿路系	37	8	45	35	18	53	22	16	38
胃	42	12	54	26	9	35	22	13	35

登録件数を部位別でみると、男性では前立腺、結腸、肺が多く、女性では乳房、結腸、腎・その他の尿路系の順となっています。

当院への来院経路

	2020年
自主的受診	240	（30.9％）
他施設からの紹介	388	（49.9％）
他疾患経過観察中	144	（18.5％）
その他	5	（0.6％）
不明	0	（0％）
合計	777件	（100％）

来院経路でみると、自主的に自施設を選択して来院した「自主的受診」が30.9％、「他施設からの紹介」が49.9％、自施設で他疾患の経過観察中にがんと診断された「他疾患経過観察中」（自施設の検診部門からの紹介含む）が18.5％となっています。

がんの発見経緯

	2020年
検診・健診・人間ドック	104	（13.4％）
他疾患経過観察中	154	（19.8％）
剖検発見（Ai含む）	0	（0％）
その他	507	（65.3％）
不明	12	（1.5％）
合計	777件	（100％）

「がん」と診断されるきっかけとなった状況は「検診・健診・人間ドック」が13.4％、「他疾患経過観察中」が19.8％、自覚症状があり受診した「その他」が65.3％となっています。

症例区分

症例区分は、がん患者さんの診断および治療について、当院がどのように関係したかがわかります。
「診断のみ」が10.0％、「初回治療終了後」が6.2％で、約83.7％の方が当院で何らかの「初回治療」が行われています。