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兵庫医科大学 研究実施のお知らせ

本学で実施しております以下の研究についてお知らせ致します。
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。
その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

研究課題名
病院前での意識障害患者の原因疾患の鑑別を可能とする予測スケールの開発
[倫理審査受付番号:第4566 号]
研究責任者氏名
吉村 紳一
研究機関長名
兵庫医科大学長 鈴木 敬一郎
研究期間
2023 年12 月1 日 ~ 2026 年12 月31 日
研究の対象
以下に該当する患者さんを研究対象とします。
疾患名:意識障害 / 診療科名等:琉球大学病院救急部、南部医療センター・ こども医療センター救急科、浦添総合病院救命救急センター、中部徳洲会病院救急科 なお、兵庫医科大学の患者様の情報の取り扱いはありません
受診日:西暦2024 年1 月1 日~ 2025 年12 月31 日
研究に用いる試料・情報の種類
□試料等 ☑ カルテ情報 □アンケート □その他( )
取得の方法:☑ 診療の過程で取得 □その他( )
研究目的・意義
意識障害の疫学に関する報告は乏しく、多施設の前向き研究による報告はありません。
過去の後向き調査の報告によると意識障害を呈する患者さんの約30%が脳神経疾患とされていますが、代謝性疾患や感染性疾患などその原因は多岐にわたります。また、世界的にみても、意識障害の患者さんの原因疾患について多施設前向き調査を行なった報告は乏しいです。
意識障害を有する患者さんに対する治療法は原因疾患により大きく異なり、特に意識障害を呈する脳神経疾患の中には治療開始までの時間が予後に関係するため、救急隊が病院へ搬送する前の段階で意識障害の鑑別を行うことは有用です。病院到着後に意識障害の原因疾患を鑑別する報告はありますが、病院検査前での運用には不向きです。
そこで我々は、沖縄県の救急主要病院に来院した意識障害を有する患者さんの情報を前向きに収集し、病院到着前で診断補助を目的とした意識障害鑑別スケールの開発に取り組みます。
この研究で、沖縄県の病院をデータ収集の場として選択した理由は、沖縄県の病院では救急患者さんはまず救急科で診療し原因疾患に応じて各診療科に振り分けられる方法を採用しているためです。そこで、沖縄県でも特に救急診療において主要な病院でデータ収集を行うことといたしました。
病院到着前の段階で意識障害の鑑別を可能とする予測スケールの報告は見当たらず、予測スケールを開発できれば世界で初めての報告となり非常に意義ある取り組みです。
研究の方法
2024月1 月1 日から2025 年12 月31 日まで琉球大学病院救急部、南部医療センター・こども医療センター救急科、浦添総合病院救命救急センター、中部徳洲会病院救急科を来院した意識障害を呈する患者さんの情報を収集します。収集する項目は下記のとおりです。
【基礎情報】
年齢、性別
【Vital sign】
意識レベル( Glasgow Coma Scale / Japan Coma Scale)、呼吸数、酸素飽和度(酸素)、心拍数(整・不整も含む)、収縮機血圧/拡張期血圧、体温、血糖、瞳孔(瞳孔径、対光反射の有無)
【その他身体所見】
発汗・冷や汗、喘鳴の有無
【神経所見】
脈不整、上肢麻痺(左・右・両側脱力)、構音障害、顔面神経麻痺、共同偏視、
半側空間無視、失語
【痛み】
頭痛、頚部痛、胸痛、背部痛、腹痛、四肢の痛み、なし
【その他】
痙攣、嘔気、嘔吐、眩暈、失禁
【発症様式と経過】
突然発症の有無(突然、緩徐)、増悪の有無(増悪、不変、改善)
発症時期(24時間以内、24時間以上前)
【最終診断】
意識障害の原因疾患を脳疾患・代謝性疾患・感染性疾患・その他に分類する。
備考に疾患名を記名する。患名は具体的には次の通りである。
急性アルコール中毒、Wernicke 脳症、血糖異常(高血糖、低血糖)、尿毒症、
脳症(髄膜炎、脳炎、肝性脳症)、電解質異常(高Na、低Na、高Ca,、Ca)、
低酸素血症、高CO2 血症、CO中毒、薬物中毒、外傷、体温異常、感染症、
精神疾患、ショック、てんかん、脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、その他
患者さんの情報はカルテに記載された情報から収集を行い、それらの情報を各施設ごとに必要項目をあらかじめ明記したEXCELに保存します。研究機関間での情報の授受方法としては、USB 内にデータを保存し郵送により授受を行います。
収集されたデータを用いて、人工知能の開発における手法の1つである機械学習を用いて意識障害の原因を高い精度で識別する機械学習モデルによる病院前脳卒中分類 を開発・完成予定です。
外部への試料・情報の提供
各施設間でのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、各施設の研究責任者が保管・管理します。
研究組織
研究組織 研究代表者 兵庫医科大学脳神経外科 吉村 紳一
琉球大学病院救急部 研究責任者 梅村武寛
南部医療センター・こども医療センター救急科 研究責任者 土屋 洋之
浦添総合病院救命救急センター 研究責任者 米盛輝武
中部徳洲会病院救急科 研究責任者 友利隆一郎
個人情報の取扱い
本研究に係わるすべての研究者は、「ヘルシンキ宣言」および「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を遵守して実施します。研究実施に係る試料・情報を取扱う際は、研究独自の番号を付して管理し、研究対象者の秘密保護に十分配慮します。研究の結果を公表する際は、氏名、生年月日などの直ちに研究対象者を特定できる情報を含まないようにします。
情報を研究事務局等の関連機関に送付する場合はこの番号を使用し、研究対象者の氏名、生年月日などの情報が院外に漏れないよう十分配慮いたします。
本研究に関する連絡先
診療科名等:兵庫医科大学病院 脳神経外科
担当者氏名:立林 洸太郎
[電話] (平日8:30~16:45)0798-45-6458

施設名:中部徳洲会病院
診療科名等:救急科
担当者氏名:友利 隆一郎
[電話] (平日9:00~17:00)098-932-1110

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