臨床研究
「疾患コホート研究ネットワークによる疾患マーカー探索研究」について
研究責任者:東京大学医科学研究所 特任教授/
東京大学新領域創成科学研究科
クリニカルシークエンス分野 教授
松田 浩一
本研究では、2003~2012年度「オーダーメイド医療実現化プロジェクト(第1期・第2期)」、2013~2017年度「オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)」に参加された方を対象に、現在の受診状況やかかっている病気について、協力医療機関※の電子カルテを用いて追跡調査を行います。追跡調査で取得した情報は、協力医療機関において、氏名や連絡先等の情報を削除し、研究用のID番号に置き換えた上で、バイオバンク・ジャパンに提供され、保管されます。そして、追跡調査で取得した情報や、バイオバンク・ジャパンに保管されている試料・情報を用いて、患者さんひとりひとりに最適な治療や医療を提供することを目指した、ゲノム解析研究やバイオマーカー探索研究などを行います。
また、藤田医科大学や国立循環器病研究センター、岡山大学、金沢大学、日本医科大学、東京都健康長寿医療センター、東北メディカル・メガバンク、順天堂大学、千葉大学、慶應義塾大学、理化学研究所、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)で収集された試料や臨床情報、試料の解析結果などの提供を受けます。これらの試料・情報は、バイオバンク・ジャパンの試料・情報と組み合わせて、東京大学医科学研究所、理化学研究所、順天堂大学、徳洲会、日本大学、日本医科大学、大阪大学、飯塚病院、東京大学大学院医学系研究科、東京大学大学院新領域創成科学研究科、千葉大学、岡山大学、金沢大学、藤田医科大学、国立循環器病研究センター、虎の門病院、京都大学、慶應義塾大学、国立国際医療研究センター、国立がん研究センター研究所、東北大学 東北メディカル・メガバンク機構、武田薬品工業株式会社、国立精神・神経医療研究センター、株式会社 Preferred Networks、東京都健康長寿医療センター、帝京大学に提供し、ゲノムワイド関連解析、全ゲノムシークエンス解析、プロテオーム解析、メタボローム解析、シングルセル解析等により病気に関連するバイオマーカーなどを調べる研究のために利用します。さらに、国立国際医療研究センターから、ゲノムデータや臨床情報等の提供を受けて、ゲノム解析研究を実施します。
- 1.研究の対象となる方
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本研究は、下記の方を対象としております。
①2003年6月から2008年3月までに47種類の病気で協力医療機関※において治療されている患者さんで「オーダーメイド医療実現化プロジェクト(第1期・第2期)」に参加された方
②2013年4月から2017年5月までに38種類の病気で協力医療機関※において治療されている患者さんで「オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)」に参加された方
※協力医療機関:東京都健康長寿医療センター、岩手医科大学、順天堂大学、日本大学医学部、結核予防会複十字病院、一般社団法人徳洲会、日本医科大学、がん研有明病院、滋賀医科大学、大阪国際がんセンター、飯塚病院、大阪医療センター
③藤田医科大学*、国立循環器病研究センター、岡山大学、金沢大学、千葉大学にて治療されている患者さんで、生体試料・臨床情報・解析結果の研究利用について同意されている方。
*藤田医科大学では藤田医科大学精神神経科学で行われている「遺伝子解析によるこころの健康とこころの病気に対するかかりやすさ(発症脆弱性)や薬の効きめや副作用(治療反応性)等の解明に関する研究」に2011年4月1日から2024年2月5日の間に参加された、双極性障害、うつ病、統合失調感情障害、統合失調症の方が本研究への参加対象者となります。
④国立循環器病研究センター・国立精神・神経医療研究センター・国立国際医療研究センター・国立成育医療研究センター・国立長寿医療研究センターにおいてバイオバンクにご協力いただいた方々のうち、健康な人もしくはがんや難病の病歴を持たない方(NCBN(National Center Biobank Network)コントロール群)
⑤新興・再興感染症データバンク事業 ナショナルリポジトリ(REBIND)の研究協力機関を受診し、新型コロナウイルス感染症、サル痘、または小児肝炎と診断された方
⑥日本医科大学において実施されている「新規バイオバンクによる老化実態解明のための疾患横断的基盤研究(橘桜プロジェクト)」に参加された方
⑦東北大学にて運営されている、東北メディカル・メガバンクに協力された方
⑧順天堂大学において実施されている「バイオバンク・ジャパン登録者を対象とした新規検体収集と多層オミックス解析による疾患病態解明研究」に参加された方
⑨1000人ゲノムプロジェクトに参加された方のうち、ゲノムデータの公開について同意された日本人の方
⑩慶應義塾大学において実施されている「新型コロナウイルス感染症に対するワクチンによる免疫獲得に関する研究」に参加された方
⑪日本医科大学において実施されている「脳神経疾患に対するAI画像解析とポリジェニックリスクモデルによる関連遺伝子座の相関性に関する研究」に参加された方
⑫東京都健康長寿医療センターの高齢者ブレインバンクに参加された方
⑬日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)-BBJ連携バイオバンクに参加している15研究グループの試験に参加された方
⑭理化学研究所で実施されているヒト遺伝子多型とオミックス解析データの統合解析のための基盤構築研究に参加された方
- 2.研究に用いる試料・情報の種類
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1)協力医療機関から提供を受ける試料・情報
情報:臨床情報、生活習慣等
「オーダーメイド医療実現化プロジェクト(第1期・第2期)」、「オーダーメイド医療の実現プログラム(第3期)」にて、臨床情報を引き続き収集させて頂きます。またCT、MRIなどの画像情報についても収集させて頂きます。本件に関連して、改めて参加者の負担や不利益になるような事はありません。
試料:
バイオバンク・ジャパンに保管されたDNA、血清等を使用します。参加者の方から改めて試料を提供いただく事はありません。
2)共同研究機関から提供を受ける試料・情報
藤田医科大学、国立循環器病研究センター、岡山大学、金沢大学、千葉大学、慶應義塾大学にて収集済みの生体試料(血清、DNA)・臨床情報、および生体試料を解析して取得した遺伝子解析データやプロテオーム解析データの提供を受けます。
国立国際医療研究センターから、NCBN(National Center Biobank Network)コントロール群のゲノムデータおよび年齢・性別・出身地/居住地・主病名等の情報、およびREBIND(新興・再興感染症データバンク事業 ナショナルリポジトリ)に登録されたゲノムデータ・臨床情報等の提供を受けます。
日本医科大学・日本大学・順天堂大学にて収集済みの生体試料(血漿、DNA、凍結保存末梢血単核球、残余組織検体)の提供を受けます。
東北大学から、東北メディカル・メガバンクにて収集済みの生体試料(血漿、血清、DNA、凍結保存末梢血単核球)の提供を受けます。
東京都健康長寿医療センターのブレインバンクの登録者のうち、バイオバンク・ジャパンにも登録されている研究参加者の脳組織、ゲノムデータ、プロテオーム解析データ、トランスクリプトーム解析データ、臨床情報の提供を受けます。
日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)-BBJ連携バイオバンクに参加している15研究グループの臨床試験に参加された方のDNAと臨床情報の提供を受けます。
理化学研究所からヒト遺伝子多型とオミックス解析データの統合解析のための基盤構築研究に参加された方のヒト血液細胞とプロテオーム解析データの提供を受けます。
3)公的データベースから提供を受ける情報
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)からNBDCヒトデータベースおよびAMEDゲノム制限共有データベース(AGD)に登録されたゲノムデータ・臨床情報の提供を受けます。
- 3.試料・情報の収集及び外部への試料・情報提供
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共同研究機関で収集する試料・情報は、共同医療機関において氏名・住所などの情報を削除し、ID番号を付与し、パスワード等で保護した状態で、東京大学医科学研究所のバイオバンク・ジャパンに提供されます。
バイオバンク・ジャパンから国内や外国の研究機関や企業へ試料及び情報を提供する際は、さらに別のID番号を付与(二重匿名化)して、配達状況が追跡できる運送業者、または、アクセス制御など高いレベルのセキュリティ対策を講じたサーバーを利用し、通信の安全性にも配慮します。また、研究を広く発展させるために、得られたデータを国立研究開発法人科学技術振興機構バイオサイエンスデータベースセンター(NBDC:National Bioscience Database Center)やAMED利活用プラットフォーム連携基盤などの国内外のデータベースへ登録し、一定の条件のもとで公開することもあります。試料・情報を提供する機関名等については、BBJのウェブサイト(https://biobankjp.org/index.html)で公表します。
また、DNA・血清試料の解析をさらに進めるために、株式会社理研ジェネシス、株式会社マクロジェン・ジャパン、タカラバイオ株式会社、ナイチンゲールヘルスジャパン、SRL、東京大学生命データサイエンスセンター、フォーネスライフ株式会社、株式会社LSIメディエンス、メディフォード株式会社、株式会社iLACに、ゲノムワイド関連解析・全ゲノムシークエンス解析・プロテオーム解析・メタボローム解析等を委託します。電子カルテをもとに構造化データベースを構築するために、富士フイルムメディカルITソリューションズ株式会社、富士フイルムメディカル株式会社、株式会社Preferred Networks、株式会社4DINに、電子カルテの情報・臨床情報の解析を委託します。
- 4.研究期間
- 実施許可日~ 2029年3月31日
- 5.研究組織
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【本研究の代表機関の研究責任者】
東京大学新領域創成科学研究科 クリニカルシークエンス分野/
東京大学医科学研究所 シークエンス技術開発分野 松田 浩一
【本研究の共同研究機関の研究責任者】
理化学研究所 統合生命医科学研究センター 桃沢 幸秀
順天堂大学 岡崎 康司
日本大学医学部 木下 浩作
一般社団法人 徳洲会 東上 震一
日本医科大学 山口 博樹
順天堂大学大学院医学研究科 桑鶴 良平
大阪大学大学院医学系研究科/東京大学大学院医学系研究科 岡田 随象
虎の門病院 門脇 孝
飯塚病院 古賀 秀信
岡山大学 平沢 晃
金沢大学 田嶋 敦
藤田医科大学 岩田 仲生
国立循環器病研究センター 猪原 匡史
京都大学 小川 誠司
慶應義塾大学 医学部 福永 興壱
国立国際医療研究センター ゲノム医科学プロジェクト 徳永 勝士
国立がん研究センター研究所 河野 隆志
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構 木下 賢吾
武田薬品工業株式会社 湯上 真人
国立精神・神経医療研究センター 村松 里衣子
株式会社 Preferred Networks 小林 啓之
東京都健康長寿医療センター 村山 繁雄
帝京大学 長瀬 洋之
日本医科大学 下山 隆
国立がん研究センター 福田 治彦
【本研究の業務委託先機関】
富士フイルムメディカルITソリューションズ株式会社、富士フイルムメディカル株式会社、株式会社Preferred Networks、PRiME-R株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社4DIN、株式会社理研ジェネシス、株式会社マクロジェン・ジャパン、タカラバイオ株式会社、ナイチンゲールヘルスジャパン、SRL、東京大学生命データサイエンスセンター、フォーネスライフ株式会社、株式会社LSIメディエンス、メディフォード株式会社、株式会社iLAC、スタンダード・バイオツールズ株式会社 - 6.徳洲会の実施体制
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【研究代表者】
東上 震一 一般社団法人徳洲会・理事長
【研究責任者】
小林 修三 湘南鎌倉総合病院・院長
【既存情報提供機関として参加する施設】
松原徳洲会病院、野崎徳洲会病院、岸和田徳洲会病院、八尾徳洲会総合病院、福岡徳洲会病院、宇治徳洲会病院、湘南藤沢徳洲会病院、札幌徳洲会病院、札幌東徳洲会病院、名古屋徳洲会総合病院、千葉徳洲会病院、大隅鹿屋病院、中部徳洲会病院、千葉西総合病院
- 7.研究参加の辞退について
- 本研究で実施する追跡調査への参加を希望されない場合は、下記の問合せ窓口までご連絡ください。研究参加を辞退されても不利益を被ることはありません。ただし、辞退のご連絡を受けた時に、すでに、他の機関に試料・情報を提供済みの場合や、研究成果が論文などで公表されていた場合は、試料・情報を破棄できないこともあります。
- 8.お問い合わせ先
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電話番号:03-5449-5122
住所:東京都港区白金台4-6-1 東京大学医科学研究所内
湘南鎌倉総合病院・臨床研究センター内 徳洲会ゲノム研究事務局
担当者:江角 和敏
電話番号:0467-46-1717(代表)
住所:神奈川県鎌倉市岡本 1370-1
中部徳洲会病院・臨床研究試験部
担当者:伊禮 武
住所:〒901-2393 沖縄県中頭郡北中城村字比嘉801
電話番号:098-932-1110(代表)
- 9.その他
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本研究に関する情報公開日:2024年2月13日
本情報公開文書の更新日:2024年11月6日
BBJ第6期:中部徳洲会病院 第1.4版2024.11.6作成