臨床研究
患者さまへ
研究課題名:「がん疼痛に対する硬膜外およびくも膜下鎮痛法における尿閉発症頻度について」
この研究は、通常の診療で得られた記録を使って行われます。 このような研究では、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得ることができる場合には、研究の目的を含む研究の実施についての情報を提示して適切な同意を得ること、それが困難な場合には、その情報を公開することが必要とされています。
- 1.研究の対象
- 2021 年 1 月より 2024 年 12 月までに中部徳洲会病院疼痛治療科にてくも膜下鎮痛法を受けた方のうち、医学教育および医学研究への情報使用に同意していただいた方
- 2.研究目的・方法
-
がんによる強い痛みが、麻薬の内服ではなかなかとれない場合や、副作用により麻薬の内服を続けることが困難である場合、痛みを軽減させる方法の一つとして硬膜外鎮痛法やくも膜下鎮痛法があります。難治性のがん疼痛に対するくも膜鎮痛法は世界で有用性が示されています。くも膜下鎮痛法は、手術室でくも膜下カテーテルを挿入し、前胸部皮下にアクセスポートを設置する手術が必要となります。それまでの間、可及的に鎮痛する方法として、外来処置室や病室で行うことができる硬膜外鎮痛法があります。
がん疼痛や慢性疼痛に対して行われるくも膜下鎮痛法では一定の割合で尿がでにくくなる症状が出現することが報告されています。その頻度の報告は文献によってさまざまで、使用する薬液も国によって異なるため、日本で行うくも膜下鎮痛法でどのくらいの頻度で生じるかどうか調査した報告はありません。また世界でも、痛みをとる部位や薬液の量、年齢や性別で尿がでにくくなる頻度に違いがあるかどうかは報告されていません。がん疼痛に対する硬膜外およびくも膜下鎮痛法施行後の尿が出にくくなる頻度について既に得られている診療録の情報から調査します。年齢、性別、カテーテル先端位置や開始モルヒネ量に差があるのかを調査することで、尿が出にくくなる傾向があるか調査します。その上で改善策があるかどうか検討します。
研究の期間:施設院長許可(2025 年 4 月予定)後~2025 年 12 月
- 3.情報の利用拒否
- 情報が当該研究に用いられることについて、患者さまもしくは患者さまのご家族等で患者さまの意思及び利益を代弁できる代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としません。その場合は、「6.お問い合わせ先」までお申出ください。その場合でも患者さまに不利益が生じることはありません。ただし、ご了承頂けない旨の意思表示があった時点で既にデータ解析が終わっている場合など、データから除けない場合もあり、ご希望に添えない場合もあります。
- 4.研究に用いる情報の種類
- 情報:年齢、性別、病歴、尿閉発症の有無、薬剤の量の経過等
- 5.個人情報の取扱い
- 収集したデータは、誰のデータか分からないように加工した上で、統計的処理を行います。国が定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に則って、個人情報を厳重に保護し、研究結果の発表に際しても、個人が特定されない形で行います。
- 6.お問い合わせ先
- 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
氏名:河野優(研究責任者)
病院名・所属、職位:中部徳洲会病院・疼痛治療科・医師
住所:沖縄県中頭郡北中城村比嘉 801 番地
連絡先:098-932-1110
2025 年 3 月 19 日作成(第 1 版)