ダビンチ(da Vinci Surgical System)
ダビンチ(da Vinci Surgical System)は、一般外科、胸部外科、泌尿器科及び婦人科の各領域において内視鏡手術を実施するに際し、組織又は異物の把持、切開、鈍的/鋭的剥離、近置、結紮、高周波電流を用いた切開・凝固、縫合及び操作、並びに手術付属品の挿入・運搬を行うために、術者の内視鏡手術器具操作を支援する装置です。高画質で立体的な3Dハイビジョンの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現し、より精度の高い鏡視下手術を可能としています。
中部徳洲会病院ではこれまでの旧モデルda vinciから、2018年10月にda vinciの4世代目となる da vinci Xi を導入しました。
ダビンチは、ロボット部と操作部、助手用のモニターなどで構成され、ロボット部には先端に鉗子やメスなどを取り付ける3本のアームと1本のカメラが装着されています。
「サージョンコンソール」とよばれる操縦席に座り立体的な3D画像を見ながら手元のコントローラーを操作します。「ペイシェントカート」の4本のロボットアームにその動きが伝わり、医師の手の動きを、より細かく精密な動きに変換します。手術スタッフは「ピジョンカート」のモニターにて手術中の画像を共有し、協力して手術が行われます。
旧モデルからの改良点
- 手術時間の短縮
- 旧モデルに比べてアームが細くなり、可動域が広がりました。これによりアーム同士の干渉が軽減し、術中に干渉による操作の一時中断が劇的に減少しました。体格の小さい患者様に対してもスムーズに手術ができるようになりました。
- 患者様への負担軽減と術野の拡大
- 内視鏡が細くなったことで挿入するための傷が小さくなり、より低侵襲な手術が可能となりました。また鉗子を挿入する傷からも内視鏡を挿入可能になり、いろいろな方向から手術部位を観察可能となりました。
- 執刀者への負担軽減による、より確実な手術
- 執刀者がコントロールするペイシェントカートのビューア、アームレスト、フットペダルの位置調整ができるようになりました。執刀者にあった姿勢で手術を行うことでより確実な手術が可能となりました。
da Vinci(ダビンチ)手術の特徴
- 3D HD Vision
- 術野がリアルな3D映像で表示れており、術者は操作部のモニタで奥行きのある体内映像を見ることができます。
- 繊細な動き
- 操作部では、術者の眼と手の距離感を維持し、鉗子の術者の直感的な操作を可能にします。さらにコンピュータ制御による術者の手振れ補正を行うため、ミリ単位の繊細な操作が可能です。
- 柔軟な動き
- ロボットの手は、人間の手と同等以上の可動域を持っています。これにより、人間ではありえない角度の手の動きが可能です。
適用症例
- 泌尿器科手術
- 根治的前立腺切除術・前立腺癌摘出術(平成24年4月 保険適用)
- 小径腎癌に対する腎部分切除(平成28年4月 保険適用)
- 膀胱癌に対する膀胱全摘出術(平成30年4月 保険適用)
ダビンチ(da Vinci)手術のメリット
- より少ない出血量
- 輸血を受けるリスクが少ない。 開腹術 24% ⇒ 3.9%
- 低侵襲手術による、体の負担の軽減
- 3D映像、手ぶれ防止機能により神経などの機能温存に優れている
- 術後の感染症のリスク減少
- 術後回復が早い(在院日数の短縮)
- 従来の開腹術と比較し小切開で済み身体的負担軽減になる
- 入院期間の短縮
※低侵襲手術とは、内視鏡手術や血管内手術を代表とする、従来よりも侵襲(「病気」「怪我」だけでなく「手術」「医療処置」のような、「生体を傷つけること」すべてを指す。)の少ない手術のこと。
ダビンチ(da Vinci Surgical System)