診療科案内

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呼吸器外科

臨床試験について

LC-SCRUM-JapanによるMultiplex遺伝子解析

肺がんの化学療法(抗がん剤)は日進月歩です。日本人肺腺癌の多くは遺伝子変異により引き起こされることが最近の研究で明らかになりつつあります。代表的なドライバー遺伝子(いわゆるがん遺伝子)であるEGFR遺伝子とALK遺伝子に対する治療薬がどんどん開発され、またそれ以外の希少な遺伝子変異に対する治療薬の開発も進んでいます(図4)。

当科では国立がん研究センターが主導する肺がん遺伝子スクリーニングプロジェクトLC-SCRUM-JapanによるMultiplex遺伝子解析を行い、患者様が希少な遺伝子変異を起こしていないか調べることができるようになりました。もし遺伝子変異があれば、それに対応する薬剤の臨床試験への登録をお勧めします。

図4. 日本人肺腺がんにおけるドライバー遺伝子と治療薬

現在当科で実施しているLC-SCRUM-Japanの臨床研究は、

  1. 「RET融合遺伝子等の低頻度の遺伝子変化陽性肺癌の臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにするための前向き観察研究」
  2. 「FGFR遺伝子変化等の稀な遺伝子変化を有する肺扁平上皮がんの臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにするための前向き観察研究」
  3. 「PI3K/AKT/mTOR経路の遺伝子変異を含む稀な遺伝子異常を有する小細胞肺癌の臨床病理学的、分子生物学的特徴を明らかにするための前向き観察研究」

の3つがあります。対象患者様はⅡ期・Ⅲ期・Ⅳ期および再発した非小細胞非扁平上皮肺がん・扁平上皮肺がん・小細胞肺がんとなります(すなわちⅠ期肺がん以外のすべての患者様が対象となりえます)。

※希少遺伝子変異が見つかった場合、治験薬の臨床試験への参加は、基本的に全身状態の良好な患者様で、臨床試験を実施している医療機関(国立がんセンター(東京・千葉)や九州がんセンターなど)などへ患者様負担で行ける方、になりますのでご了承ください。

LC-SCRUMに関してご質問がある方は、当院臨床試験部へお問い合わせください。他医療機関で肺がんと診断され、LC-SCRUMへのご参加を希望の患者様は、呼吸器外科外来(毎週;火・木;9:00-12:00)を受診してください(紹介状を持参していただければ原則予約は不要です)。詳しくは、LC-SCRUM-Japan公式ホームページ(http://epoc.ncc.go.jp/scrum/lc_scrum/)をご参照ください。
※国立がんセンター等へのお電話などでのお問い合わせはお控えください。

徳洲会オンコロジープロジェクト呼吸器部会

当院では未来医療研究センターの協力のもと、全国規模で展開する徳洲会グループ各病院の肺がん診療に携わる医師・スタッフが一堂に会し徳洲会オンコロジープロジェクト呼吸器部会を立ち上げ、臨床試験を行っています。

肺がんの化学療法は70~75歳以下で比較的全身状態の良好な患者様を対象に研究が進められた経緯があり、現在でも75歳以上の肺がん患者様に対する標準的な化学療法は少ないです。そこでより副作用が軽く、かつ従来の化学療法と同等の治療成績が出せないか、という命題があります。それに対して、現在は以下の2つの臨床試験を行っております。

  1. 「高齢者進行非小細胞肺癌に対するS-1隔日投与/カルボプラチン併用療法の第Ⅱ相試験」
  2. 「高齢者の既治療非小細胞肺癌に対するS-1隔日投与/カルボプラチン併用療法の第Ⅱ相試験」

※対象は75歳以上の全身状態の良好な切除不能または再発の非小細胞肺がんの患者様になります。

これら臨床試験に関してご質問がある方は、当院臨床試験部へお問い合わせの上、呼吸器外科外来(毎週;火・木;9:00-12:00)を受診してください(紹介状を持参していただければ原則予約は不要です)。

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